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「ようやく、訴状や裁判書面のネット提出検討」

2018.02.02|甲斐野 正行

今日(2月2日)の日経新聞で、民事裁判の訴状や書面をインターネットで提出できるよう最高裁が検討を始めたという報道がありました。

 現在の民事訴訟法は、平成8年に大改訂され平成10年に施行されたもので、昨年明治以来の大改正をした民法とは違って、結構新しい法律なのですが、「書面」とあるように、紙であることを前提に規定されています。簡易迅速化を図るために、一旦裁判が始まった後の答弁書や準備書面等の裁判書面をファクスで裁判所や相手方当事者に送信することは認められていますが、これも紙ベースであることには変わりありません。特に、書類が大部に及ぶ場合は、ファックス送信すること自体が手間として大変で、送信側受信側双方のファックス機器にも過大な負担をかけてパンクしかねませんから、通常は郵送か自分で裁判所に持ち込むことになります。また、訴状など裁判を申し立てる書面やその際に提出する証拠については、そもそもファックス送信は認められていません。

 しかも、ファックスは、字がつぶれたりして読みにくいこともよくあり、改めてクリーンコピーを送らざるを得ないこともあります。

 さらに、ファックス送信したところで、結局は紙ベースで裁判記録を作って保管し、裁判の都度、裁判所へ持ち運びをしなければなりませんから、大部になるとその負担は結構厳しいものがあります。法曹関係者が風呂敷を愛用していたのも、裁判記録の大小にかかわらず風呂敷は融通が利くという利点があったからです。

 そういう意味では、電子情報で裁判書面を提出できるようになれば、いろんな面で負担が軽くなるとはいえます。もちろん、契約書等、原証拠としての書面が紙である以上、すべてを電子情報に置き換えて済むわけではありませんし、紙ベースの方が一覧性に優れている面があるので、限界はあるのでしょうが、それでもかなり楽になるといえます。

 裁判所も、判決等を作成するために、当事者に訴状や準備書面等の電子データを求めることがよくあり、ネット提出の利便性や必要性は裁判所も当事者も十分に感じていたはずです。

 

 また、実務的には、裁判所への時間外の提出が容易になるメリットが大きいでしょう。

 異議申立や上訴のように法律上期間制限がされている手続や、時効期間ギリギリに訴状等を出す場合には、休日や夜間に慌てて裁判所の時間外窓口に書面を持参し、当直に期限内の受理手続をしてもらうという、極めて焦る場面があるのですが、ネット提出ができるなら、提出日時もデータとして明確に残るでしょうから、これは助かります。

 

 米国等では、10年以上前からネットで書面を提出する仕組みを導入しているそうです。 日本の民事訴訟法も、132条の10397条で、裁判所に提出する文書に代えてオンライン提出を可能とするための規定を置いているのですが、現在は東京簡裁で督促手続をオンライン提出ができるようにしているくらいのようです。訴状等もネット提出するためには、整備すべき事項も多いでしょうが、早く本格的な導入をしてほしいところです。

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