厳しい経済状況の下、浪費を原因とする多重債務だけでなく、給料カットによるローン支払いの困難や、個人事業の行き詰まりも増えています。
期限に一日でも遅れると電話での取立てに苦しみ、落ち着いた生活ができなくなりますし、家庭の崩壊につながることも少なくありません。
返済に困ったら、高利のローンに手を出す前に、是非弁護士にご相談ください。
弁護士に依頼すると、債権者との交渉窓口は弁護士となり、直接の連絡がなくなります。それだけでも落ち着いた生活を取り戻し、生活の再建が可能となります。
サラ金を始めとした貸金業者の利息の上限は29.2%ですが、これは利息制限法による利息15%(100万円以上)18%(10~100万円)20%(10万円未満)を遥かに超えるものです。
そこで、これまで払った利息の内、利息制限法を越える部分を元金に入れさせ、借金を減らすこともできます。元金がゼロになって払ったお金は返還を求めることができます(過払請求)。
100万単位の借金を抱え、破産の相談に来られた方に、利息の再計算によって反対に100万円単位のお金が戻ってくる場合もあります。但し、取引期間、借入返済状況によって減額の程度は異なりますので、よく事情を弁護士に説明してください。また、古い借入契約書、領収書などがあれば必ずご持参ください。
多額の借金で苦しんでいる場合、借金から免れるには、幾つかの方法があります。
■清算型
ひとつは、今ある財産を全部提供して、返せるだけ返して、財産ゼロからやり直す方法、これを清算型といい、所謂破産手続きがその典型です。
持っている財産も処分して、事業も廃止することとなります。
■再建型
もうひとつは、今ある財産、事業をある程度維持しつつ、返済額を返せる範囲に減らしたり、期限を延ばしたりしてもらう方法で、再建型といいます。
大会社を再建するための会社更生法や、最近注目を浴びている民事再生法などは、この再建型の法律です。そこでは債権を大幅カットしてもらい、さらに、10年程度の繰り延べ支払いがなされることになります。
どの手続がいいか、あなたの資産・負債・収入等の事情を考慮して、決めることになります。
■任意整理
法的手続によらず、債権者と個別に返済交渉を行う手続です。元金を減額したり、分割弁済の交渉を行います。3年ないし5年で、減額後の元金を分割して支払います。将来利息はつけないのが原則です。
(1)手続
(2)同時廃止
(3)費用
貸したお金が返ってこない場合、どうすればいいのでしょうか。
友人間の貸し借りから、売掛金の回収まで、債権回収の方法を説明します。
法治国家の日本では、債権者であっても、債務者の財布のお金を無理やり持っていくことはできません。債務者の財産を取上げ、お金に換えて債権者に渡してくれるのは、裁判所の手続(強制執行手続)によるしかありません。よく「差押」するぞ、なんて脅されますが、差押は、この強制執行手続の最初の手順のことを言うのです。
ところが「差押」を裁判所にやってもらうためには、そのような権利があることを証明する書類が必要です。例えば貸した100万円を返してもらうために強制執行をしようとしたら、その権利の存在を証明する書類がいるのです。このような権利を公に証する書類を債務名義と言います。
この債務名義には、裁判書(判決、決定、命令)、和解調書(裁判上の和解・即決和解)、調停調書、支払督促、公正証書などがあります。よく裁判で勝った負けたと騒いでいますが、判決は自分の権利の存在を認めてもらうだけで、本当はその先に、判決の内容をどう実現するか(お金をどう回収するか)の問題があるのです。裁判となるとある程度時間がかかります。この時間を節約するため、公正証書を作っておくと、約束を破ると判決のための裁判をせずに、いきなり差押ができるのです。だから金融業者がお金を貸す際に公正証書を作らせたりするのです。
公正証書とか債務名義がない場合には、相手を訴えて判決をもらって強制執行をするしかありません。
自分(訴える側を原告と言います。)が相手を訴えるとどのように裁判が進むかは、訴訟のしくみをご覧ください。
訴えても、相手が争ってきたら、勝つためには、証拠が必要です。例えば貸金請求だと、金を貸した証明として借用書と金が渡った証明として、領収書が証拠となります。
では、書類がないと裁判では勝てないのでしょうか。そんなことはありません。
例えば領収書がなくても、その日に銀行からお金を下ろしたことが分かれば、その金が相手に回ったと説明することができますし、相手が自分は金を借りていると第三者に喋っていれば、第三者の証言も証拠になります。書類は極めて有力な証拠ですが、それがなければ裁判に絶対に勝てない、と言うわけではありません(この点は、事案によりますので、弁護士によくご相談ください。)
訴えられたら、裁判所から訴状が送られてきますし、何日に裁判所に来い、と呼出状が入っています。
訴えられた側(被告)が何もしなければ、欠席判決と言うことで負けになってしまう可能性があります。負けたくなければ、原告の請求を争う必要があります。
争うためには、一回目の期日に裁判所に行って、裁判官に争います、とはっきり言わなければいけませんが、その日は勝手に裁判所が決めただけで、出頭できないこともあるでしょう。そこで第一回目に限り、書類を出しておけば、裁判所に行かなくても良いことになっています。
この書類のことを答弁書と言います。答弁書の書き方は、裁判所から送られてくる訴状の中にサンプルが入っていますので、それを参考にしてください。
訴状の内容が間違っていると思ったら、はっきりと「争う」ことと、相手の言い分がおかしいことを指摘しましょう。
繰り返しますが、被告となったら、争うならば、必ず一回目は答弁書を出すか、当日裁判所に行くことを忘れずに。答弁書も出さずに裁判にも行かないと、それだけで全面敗訴の可能性がありますのでご注意を。
判決は「幾ら払え」と書いてあるだけで、それだけでは紙切れです。
これをお金にするためには、相手が払ってくれなければ、相手の財産を差押えてそこから回収するしかありません。
そこでは、相手の財産にどんなものがあるか分かっていることが必要です。差押えることのできる財産には、不動産(土地建物)債権(預金、貯金、給料など)動産(商品、家財道具、自動車)などがあります。不動産については、銀行の担保に入っていたりすると、担保(抵当権)が優先しますので、そこからの回収が困難となることも多いの実際です。預金は銀行の貸金との相殺を言われるとこれも回収困難です。給料は、税金、社会保険を控除した額の1/4、又は支給額から33万円を控除した額しか押さえることはできません。なお、養育費などの請求の場合は、1/2の範囲まで差押えることができます。
不動産の差押についても、家財道具の多くは生活必需品とみなされ差押禁止ですし、中古品は無価物と評価されると、実際ほとんどの家財道具は差押えることが困難です。
貸した金を回収するためには、裁判に勝つだけではなく、勝った後の見通しについてもよく考える必要がありますので、相手の財産にどのようなものがあるかについても調べておいたほうが良いでしょう。