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 近年離婚の件数は年々増加し、平成16年には約27万件を超える夫婦が離婚しています。
 離婚に対する見方、考え方も変化し、一緒に暮らせないと考えたら離婚すればよい、という考えは広がっていますし、親兄弟や親戚も離婚には寛大になりつつあります。
 しかし、わずかでも一緒に生活を始めてしまうと、その清算は結構大変です。
 子供がいる場合は?一緒にマンションを買ってしまった場合など財産の整理は?すっきり別れるための方法をお教えします。

【協議離婚】

 当事者の話し合いで決め、役所に離婚届を提出するものです。
 相手が離婚に合意している場合はいいですが、相手が判を押してくれないならば、離婚ができません。

【離婚で決めるべきこと】

 離婚する場合に決めなければならない項目としては以下のものがあります。
 (1)未成年者の子の親権者
 (2)姓(結婚時に改姓した場合に、元の姓に戻るか、その姓を続けるか)
 (3)財産的給付(財産分与・慰謝料・養育費)相手から幾らもらうか(幾ら払うか)についてです。

 協議離婚する場合も、これらの事項を決めておく必要がありますが、届出に必要なのは(1)(2)だけですので、(3) についてはっきりしていないのに、離婚届を出してしまうと、その後でも交渉は可能ですが、不利な条件を押し付けられることがあります。

【調停離婚】

 家庭裁判所で、男女2名の調停委員と裁判官からなる調停委員会を間に入れて話し合う手続です。
 相手が離婚に同意しない場合や、離婚条件で折り合えない場合は、裁判所で離婚を決めてもらうしかないのですが、離婚の場合は最初は必ず調停で話し合いを行なうことになります。調停は相手方住所地又は夫婦の共通の最後の住所地で行うことになります。
 調停の費用は印紙代1,200円で他に切手代がかかります。また戸籍謄本などの資料が必要です。
 離婚調停が成立する場合は、調停調書を作成し、それを役所に届け出ることになります。

【裁判離婚】

 調停がまとまらない場合は、家庭裁判所に離婚訴訟を起こすことになります。
 民法で定められた離婚理由の有無を裁判で判断してもらうことになります。
 平成16年の人事訴訟法の改正により、調停から訴訟の手続が家庭裁判所に一本化され、裁判を起しやすくなりました(自分の住所地で訴訟ができる・調査官による調査が利用できる)。

【離婚理由】

 離婚理由には、(1)不貞(2)悪意の遺棄(相手から捨てられること)(3)相手の生死不明(4)強度の精神病(5) その他婚姻を継続しがたい重大な事由があります。やり直しができない程度に結婚生活が破綻していれば、(5)の事由が認められる場合が多いでしょう。また別居期間が長ければ、(5)が認められやすくなります。理由にもよるためはっきり何年の別居期間で離婚が認められるとはいえませんが、性格の不一致で5年程度別居していれば、破綻に近い状況と考えます。これに対し、自分が不倫して破綻させた場合、未成熟子がいれば、簡単には離婚できません。

 未成年の子供の財産を管理し、子供の身の回りの世話をして養育する権限を親権と言います。
 親権者は、話し合いで決まらなければ、裁判所(調停又は裁判)で、子供の年齢、双方の経済力、監護(身の回り)の実績や現状、子供の意思などの要素を考慮して、決めることになります。
 子供が小さい場合は、親権者を母とする場合が多く、15歳以上になると子供の意思を尊重する場合が多いようです。
 親権者でない親が子供に会う権利を面接交渉権と言います。
 子供の年齢や監護の状況を考慮して、面接が認められない場合もあります。

 離婚の際、相手方からもらえるお金には3種類のものがあります。
 一つ目は慰謝料で、離婚せざるを得なくなった精神的苦痛に対する償いです。
 年数や事情によって金額は異なりますが、離婚裁判で判決まで争っても200~500万円程度が多いとされています。
 二つ目は財産分与で、婚姻中に得た夫婦財産の清算や、離婚後の生活保障のための金銭です。
 財産分与は、財産の額や貢献の割合によって違ってきます。貢献の割合は50%とする扱いが比較的有力ですが、現金を持っている場合はともかく、分けられる財産があるかも問題です。不動産があってもローンが残っていたり、将来の退職金がある場合、将来もらえる相手の退職金についても財産に入れるべき、という考えもありますが、どのように評価するかという問題があります。
 よくあるのが不動産ローンの保証をしている場合です。離婚してもそれだけでは保証債務はなくなりません。保証の解除には債権者の同意が必要です。
 保証には注意しておく必要があります。
 処分してもローンが残る場合もあり、こじれるケースも少なくありません。
 なお、離婚後の年金分割が平成19年4月より認められることになりました。熟年離婚の場合には年金も無視できない問題です。詳細は社会保険事務所にて確認ください。
 三つ目は養育費です。養育費は子供が成長し自立するまでの費用です。18歳あるいは20歳までと言うケースが多いようですが、大学進学費用も養育費として認められる場合もあります。養育費は子供から親に請求する権利であって、離婚当事者の合意は、お互いの負担割合を決めるものに過ぎませんので、足らなくなった場合、子供から別途請求することも可能です。養育費の額は、計算方法としては、子が収入の高い親と同居したとして、生活保護費の支給基準に従って親子の生活費を出し、そこで計算された子供の生活費について、父母の負担能力に応じて分担割合を計算する、という方法が採用されています。養育費については、平成15年に裁判所で双方の収入に基づいた早見表が作成され、利用されています。参考にしてください。
 離婚で貰える(払う)お金を考える場合には、相手方(自分)の収入・財産がわかる資料(コピーで可。給料明細・源泉徴収票・申告書・不動産登記簿謄本・預金通帳・保険証券等)の内容を検討することが必要です。弁護士に相談する場合にもご用意ください。

 いざ離婚を前提に別居しようと思っても、明日の生活費をどうするかが問題です。
 しかし、夫婦には婚姻費用の分担義務がありますので、離婚が成立するまでは、生活費を請求することができます。
 相手が生活費を支払ってくれない場合は、家庭裁判所に婚姻費用の分担調停を起しましょう。夫婦の収入を合算して、引き取っている子供の数を考慮した生活費を生活保護基準の割合で計算し、不足額を相手に請求することができます。自分から家を出た場合も、相手方に別居の理由があれば請求できます。
 養育費と同じですが、相手と自分の収入が基準となります。婚姻費用についても平成15年に裁判所内で双方の収入に基づいた早見表が作成され利用されています。

・離婚調停申立費用・・・ 印紙代1,200円プラス切手代(家庭裁判所の受付にお尋ねください。なお申立用紙も家庭裁判所に置いてあります。)
・婚姻費用分担調停申立費用・・・ 印紙代1,200円プラス切手代

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